月とくらし

月は人間の生活に密接に関係しています。
今でこそ、太陽暦であるグレゴリオ暦が世界で広く普及していますが、かつての日本では月の満ち欠けをもとにした太陰太陽暦が長く使われていました。
また、月は徐々に姿を変えるというその特徴から、古来より様々な文学作品の主題として扱われてきました。
月の都の姫君が主人公である『竹取物語』、自身の強大な権力を満月になぞらえた藤原道長の「この世をば」の短歌、清少納言は『枕草子』の中で「月のいとあかきに」と残し、『徒然草』では月の描写が何度となく繰り返されます。
ふと空を見上げると、そこに佇む月。
月は毎日、新月、三日月、上弦の月、満月、下弦の月とその姿を変化させていきます。
これらの名前は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、個別の名前を持つ月はこれらだけではありません。
そのほかの例を見ていきましょう。

十三夜月:陰暦十三日の月。十五夜(満月)の次に美しい月とされる。
小望月:陰暦十四日の月。満月の前日に見られる月。
十六夜の月:陰暦十六日の月。躊躇うという意味を持つ古語「いざよふ」に由来する。満月の時よりも少し躊躇ったように遅い時間に昇ることから。
立待月:陰暦十七日の月。立って待っている間に出てくる月の意味。
居待月:陰暦十八日の月。座して待っている間に出てくる月の意味。
臥待月:陰暦十九日の月。伏して待っている間に出てくる月の意味。
更待月:陰暦二十日の月。夜がすっかり更けたのちに出てくる月の意味。

これらを見ると、満月の前後の月には日毎に細かく名前が付けられていることがわかります。
それだけ昔の人々が満月を特別に思い、愛でていたという証でしょう。
名前があるということは、そこに意味が宿るということです。
かつての人々が月を見てどのような魅力を感じていたのか、その名前を通じて感じ取ることができます。
普段何気なく眺めている月にも名前があると知ることで、月の持つさらなる魅力に気が付くことができるのではないでしょうか。
現代に生きる私たちは忙しい生活の中で、ゆとりを失ってしまいがちです。
そんな中でもほんの少し夜空を眺めることで、古人の感性に思いを馳せてみてはどうでしょうか。

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